新卒社員の離職率の現状

新卒社員の早期離職率が注目されています。厚生労働省の調査では、令和2年度における新卒社員の3年以内の離職率は、高校卒業者で約37%、大学卒業者で約31%と報告されています。これは3人に1人の新卒社員が3年以内に退職している計算です。この数字は少しずつ改善しているものの、多くの企業にとってまだまだ大きな課題です。

新卒社員が退職する理由とは?

新卒社員が会社を去る理由はさまざまですが、いくつかの共通する傾向が見られます。

職場環境や人間関係のミスマッチ

 新しい職場での人間関係がうまくいかなかったり、相談しやすい先輩や上司がいないことで、孤立を感じるケースがあります。また、入社前に抱いていた職場のイメージと現実が異なると、なかなか馴染めないこともあります。

労働条件に対する不安や不満

働く環境が厳しいと感じると、早期に退職を考えることが多くなります。例えば、長時間労働や休日が取りにくいといった条件が、日々の仕事のモチベーションを下げる原因になります。採用時にこれらの条件をしっかり説明し、理解を得ることが重要です。

自身の能力や特性が活かせない業務内容

自分の得意分野が活かされていないと感じると、やりがいを見いだせなくなってしまいます。たとえば、コミュニケーションが苦手なのに営業職を担当することになったり、専門的な資格が活かせない仕事を任される場合が該当します。

仕事に対する意欲や興味の低下

日々の業務が単調で、自分の成長を実感できないと、早期に離職を考える傾向があります。特に、向上心の強い新卒社員にとっては、自分の成長が見えない環境はストレスになることが多いです。

    離職率の高い業界とその特徴

    業界別に見ると、新卒社員の離職率が高い業界にはいくつかの特徴があります。例えば、「宿泊業・飲食サービス業」や「生活関連サービス業・娯楽業」、さらには「教育・学習支援業」などが挙げられます。これらの業界では、職場環境の改善や働きやすい条件の整備が求められています。

    高校卒業者大学卒業者
    宿泊業・飲食サービス業: 62.6%宿泊業・飲食サービス業: 51.4%
    生活関連サービス業・娯楽業: 57.0%生活関連サービス業・娯楽業: 48.0%
    小売業: 48.3%教育・学習支援業: 46.0%
    (出所:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001158687.pdf

    新卒社員の離職がもたらす影響

    1. 採用や育成にかかるコストの増加 新卒社員の採用には大きなコストがかかります。求人広告費や面接のための時間的コスト、さらに入社後の研修や育成にもコストが必要です。早期に離職されると、これらの投資が無駄になってしまうリスクが高まります。
    2. 社内のモチベーション低下の可能性 同時期に入社した仲間が次々と退職してしまうと、残った社員の士気が下がり、連鎖的な退職を招くことにもつながります。社員一人ひとりの満足度が低いと、職場全体の雰囲気にも影響します。
    3. 企業の評判への影響 離職率が高いと、「働きづらい職場」といったネガティブなイメージが定着する恐れがあります。これにより、将来的な採用活動が難しくなったり、消費者や取引先からの信頼にも影響を及ぼす可能性があります。

    新卒社員の定着を促進するための取り組み

    1. 採用プロセスでの情報共有を重視する 採用活動の段階で、企業の強みだけでなく、業務の厳しさや職場環境の実情をしっかりと伝えることが大切です。これにより、入社後のギャップを減らし、長期的な定着を促すことができます。
    2. メンター制度の導入とサポート体制の整備 経験豊富な先輩社員が新入社員をサポートするメンター制度を導入することで、職場に早く馴染むことができるようになります。また、定期的な面談を通じて、新入社員の声を積極的に聞くことも重要です。
    3. 柔軟なキャリア形成の機会提供 新卒社員が自分の能力や興味に応じて成長できるようなキャリアパスを用意し、継続的なスキルアップの機会を提供することが求められます。これにより、長期的な視野で会社でのキャリアを描けるようになります。

    新しい新卒定着の取り組み

    当社の提供している新入社員向け研修プログラムに、「社史を作ろうプロジェクト」がございます。

    この研修は、新入社員が社長や経営者にアポイントをとり、実際に歴史をヒアリングすることで、自社の歴史を知っていくものです。そして、最後にはボードゲーム形式の自社の歴史が成果物として提供されます。

    当研修では、

    1. ビジネスマナー: 挨拶の仕方からメールの送り方まで研修を行う。実際に社長や経営者にアポイントを取る必要があるため、即実践が可能です。
    2. プロジェクトマネジメント: チーム単位で行動するため、スケジュール管理やタスク管理・場合によってはコンフリクトマネジメントなどを学べます。
    3. デザイン思考: ボードゲームのデザインから、そもそもこのボードゲームの作る意義や使用する際の課題など幅広くデザインを学べます。
    4. コミュニケーション:新入社員同士でプロジェクトを行うことで、同期同士のコミュニケーションを深められます。また、それだけでなく、歴史のヒアリングのため社長・経営者・自分の上司など幅広い人たちとコミュニケーションをとることで、エンゲージメントが向上できます。

    といった内容を学習できます。

    ご興味がある方は、一度お問い合わせください。

    https://historygame.sirkus.co.jp