独立行政法人国際協力機構(JICA)様のゲーム形式型教材「想像していなかった今日を生きる」(試作版)を開発いたしました。

「想像していなかった今日を生きる」は、「突然の紛争によって避難を余儀なくされる」という極限の状況を、プレイヤーが当事者として体験するカードゲーム型教材です。教室で手軽に実施できるよう設計されており、難民問題について深く考えるきっかけを提供します。 プレイヤーは、1人から6人のグループで、カードに書かれたストーリーを読み進めていきます。平和な日常が一変し、突然の紛争によって避難を余儀なくされるという設定から始まり、安全な場所を目指す旅が描かれています。ストーリーの中で、プレイヤーたちは「限られた荷物しか持ち出せない」「見知らぬ人を助けるか見捨てるか」「危険を冒して別ルートを探すか」など、様々な選択を迫られ、困難や理不尽な状況に直面します。これらの選択に明確な「正解」はなく、プレイヤーは不確実性の中で決断を下し、国外への脱出を目指す緊張感のある体験を通じて、実際の難民が直面する現実を疑似体験します。1回のゲームは約30分で完結し、授業1コマで振り返りやディスカッションを含めた学習が可能なよう設計されています。

【開発の背景】
難民問題は、日本の多くの中高生にとって「遠い世界での出来事」として認識されており、食料問題や環境問題など他のグローバル課題と比較しても、特に自分ごと化することが難しいテーマです。
JICAでは国際協力事業で培った知見を活かし、教育現場に対する開発教育の支援を積極的に行っており、その一環として、教員研修や体験型施設「JICA地球ひろば」の運営、教材提供などを推進しています。2023年度には、「もし自分が難民になったら?」という設定で、日本に住む若者が自らの立場を置き換えて考えるロールプレイ形式の体験型展示を、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所・国連UNHCR協会の協力のもとJICA地球ひろばで実施。この展示は来場者から大きな反響を呼び、「もっと多くの子どもたちに届けたい」という声が多数寄せられました。
この反響を受け、JICAは学校現場で実施可能な新たな教材開発に着手。その開発委託業務を今回担当いたしました。
【本教材の特徴】
- 登場人物のモデルを学生にすることで、難民問題を自分ごと化
- 選択肢によって結末が変わるマルチエンディング構造
- 実際の難民を声に基づいたリアルなシナリオ設計
- シンプルなカード形式で準備や片付けが容易、様々な教室環境に対応
【今回のゲームについて】
今回の開発では、カードを読み進めながらストーリーを体験する形式で作成いたしました。シンプルで理解しやすく、かつ奥深い内容に仕上がっております。
同様の形式で、「キャリアパス」「起業」「災害」など分岐によってストーリーが変化することで、より理解が深まる内容にあっております。
株式会社サーカスでは、オリジナルゲームの開発を行っておりますのでご興味ある方はお問い合わせください。
info@sirkus.co.jp