リーダー、マネージャーこの言葉はしばしば同じ意味合いで使われがちです。
しかしながらリーダーに必要なリーダーシップとマネージャーに必要なマネジメントスキルは、実際にはそれぞれが異なる役割を持っています。
このブログではリーダーシップとマネジメントスキルの違いと役割について説明いたします。

概要

リーダーシップとマネジメントスキルの大まかな違いは以下となります。

リーダーシップ

チームを導いていく能力

変化を起こす

方針決定・協働体制の構築・チームの成長
モチベーションの鼓舞
主に未来に向けて対処

マネジメントスキル

チームを管理する能力

複雑さに対処する

計画・予算・仕事の割り当て
監視・コントロール
主に現状に対処

コッターの類型

もう少し詳しく見るためにリーダーシップ論として有名なコッターの類型を見てみましょう。

リーダーシップマネジメント
方向性の確立
未来のビジョンの提示と、そのビジョンを提示するための変化を生み出す
計画と予算
現在の目的を達成するための計画:詳細な手順やスケジュールを計画し、それを実現するためのリソースを割り当てる
人々の調整
ビジョンと戦略を達成するためにチームが同じ方向を向くための協力体制の構築を、言葉と行動で方向性を示す
組織と人員配置
計画を達成するための人員を配置し、責任を与える。
モチベーションとインスピレーション
チームの不満点や変化における様々な障壁を乗り越えるための鼓舞を行う。
制御と問題解決
計画と結果を詳細にモニタリングとコントロールを行えるようにする
変化や新しいアプローチを生み出す予測可能性の確保と秩序の維持
ステークホルダが当初期待していた結果を生み出す
引用:Force For Change: How Leadership Differs from Management(John P. Kotter)より要約して引用

PMBOKでも第7版にバージョンアップされてからは、第6版までのマネジメントの知識エリアよりもリーダーのチームビルディング等に焦点があてられるようになっています。

役割の違いと適正

上記の様にリーダーとマネージャーに求められる能力やアクションは全くと言っていいほど異なります。

しかしながら、組織ではしばしば両者を「上に立つもの」として混同し「優秀なマネージャーを昇格させリーダーの立場に」や「優秀なリーダーを昇格させマネージャーの立場に」等の「昇格」を行うことがあります。しかしながら、上記の適性の違いの通りこれは配置転換に近いです。

配置転換自体は全く悪いことではないのですが、両者の適性の違いを無視し「優秀なマネージャーはリーダーをこなしてくれるだろう」と特にケアをしなかった結果、優秀な人材がその能力を発揮できないということが良くあります。

まずはマネージメントスキルとリーダーシップの違いを把握し、人材の昇格の際には適性を把握したうえでマネージャーとリーダーどの立場からどの立場にコンバートするのかを意識した上で配置や教育を行う必要があります。

プロジェクトマネジメント研修を受ける際の注意

リーダー育成として「プロジェクトマネージャー研修」を企業として受講される取り組みをなさっている会社様もあると思います。しかしながら研修コースによっては「マネジメントスキルの知識」の研修に寄っている研修コースもあります。これまでご説明した通り、リーダーシップとマネジメントスキルは異なるものであり、せっかく費用と時間をかけてもリーダー育成に紐づかないことがあります。

株式会社サーカスのプロジェクトマネジメント研修では、単にマネジメントの知識の研修だけではなく、リーダーとマネージャーの違いから、それぞれについての知識、理論を研修で学ぶことが可能です。また、現場を経験してきたリーダー、マネージャーを講師として生の知識を交えた実践を行うことも出来ます。
 研修をご依頼の際にもリーダーとマネージャーどちらの研修に比重を置きたいかご相談いただくことでカスタマイズも可能となっております。
ご興味がありましたら是非お問い合わせのほどよろしくお願い致します。

またゲームを組み合わせ、疑似実践が可能な研修も用意しております。そちらも合わせてご確認ください。
プロジェクトサーガ:https://prosaga.sirkus.co.jp/