今回は、新卒社員の離職率を低下させるための取り組みについて考えてみたいと思います。日本の上場企業の人事部にとっても、新卒社員の早期離職は大きな課題です。実際、厚生労働省のデータによると、2020年の新卒の3年以内の離職率は約30%に達しており、この数字は年々増加傾向にあります。では、なぜこれほど多くの新卒が短期間で離職してしまうのでしょうか?そして、どうすればその流れを変えることができるのでしょうか?

離職の原因を理解することが第一歩

まず、新卒社員が離職する主な理由を理解することが重要です。以下の要因が一般的に挙げられます。

  1. 期待と現実のギャップ: 新卒社員は、企業や仕事に対して理想的なイメージを持っています。しかし、実際の業務内容や職場環境がその期待と異なると、モチベーションが低下し、早期の離職につながることがあります。
  2. 職場の人間関係: 職場の人間関係は仕事の満足度に大きく影響します。特に、新卒社員は初めての職場環境での適応に苦労することが多く、支援がない場合、孤立感を感じることが離職の原因となります。
  3. キャリア成長の不透明さ: 新卒社員は将来のキャリアパスに不安を感じることが多いです。成長のビジョンが描けないと、他の企業や職種に転職を考え始めることがあります。

離職率を低下させるための具体的な取り組み

これらの原因を踏まえ、企業が取るべき具体的な対策をいくつか提案します。

  1. 入社前の期待調整とリアルな情報提供: 新卒採用の段階で、企業の実際の業務内容や職場環境を正直に伝えることが大切です。例えば、インターンシップや職場見学、OB/OG訪問の機会を増やし、具体的な仕事内容やキャリアパスについてのリアルな情報を共有することで、入社後のミスマッチを減らすことができます。
  2. メンター制度の導入: 新卒社員が職場に早く馴染めるよう、先輩社員とのメンタリング制度を導入することが有効です。メンターが定期的に面談を行い、業務上の悩みやプライベートな不安についても話し合うことで、安心感を持たせることができます。
  3. キャリア開発プログラムの充実: 新卒社員が自らの成長を実感できるようなキャリア開発プログラムを整備することも重要です。例えば、ジョブローテーションや定期的なスキルアップ研修を実施し、社員が多様な経験を積むことができる環境を提供します。実際、キャリア開発に投資する企業の離職率は低いことが多いというデータもあります。
  4. フィードバック文化の醸成: 新卒社員は、仕事の進め方やパフォーマンスに対するフィードバックを求めています。定期的なフィードバックセッションを設けることで、社員の成長意欲を引き出し、組織へのエンゲージメントを高めることができます。
  5. ワークライフバランスの改善: 働き方改革の一環として、リモートワークの導入やフレックスタイム制度の拡充など、柔軟な働き方を提供することも検討すべきです。特に、近年の若い世代はワークライフバランスを重視する傾向が強いため、この点に配慮することが重要です。

離職率を低下させる企業研修について

当社では、新入社員研修の一環として、「社史をつくろうプロジェクト研修」を提供しています。

この研修は、新入社員が社長や経営者にアポイントをとり、実際に歴史をヒアリングすることで、自社の歴史を知っていくものです。そして、最後にはボードゲーム形式の自社の歴史が成果物として提供されます。

当研修では、

  1. ビジネスマナー: 挨拶の仕方からメールの送り方まで研修を行う。実際に社長や経営者にアポイントを取る必要があるため、即実践が可能です。
  2. プロジェクトマネジメント: チーム単位で行動するため、スケジュール管理やタスク管理・場合によってはコンフリクトマネジメントなどを学べます。
  3. デザイン思考: ボードゲームのデザインから、そもそもこのボードゲームの作る意義や使用する際の課題など幅広くデザインを学べます。
  4. コミュニケーション:新入社員同士でプロジェクトを行うことで、同期同士のコミュニケーションを深められます。また、それだけでなく、歴史のヒアリングのため社長・経営者・自分の上司など幅広い人たちとコミュニケーションをとることで、エンゲージメントが向上できます。

といった内容を学習できます。

おわりに

新卒の離職率を低下させるためには、企業としての努力が必要です。期待調整、メンタリング、キャリア開発、フィードバック、そしてワークライフバランスの改善といった取り組みを通じて、若手社員が長く安心して働ける職場を作ることが求められます。新卒社員は企業の未来を担う大切な存在です。彼らが成長し、活躍できる環境を整えることで、企業全体の競争力を高めることにもつながるでしょう。

また、最後にご紹介した研修について、詳しく聞きたい方は以下よりお問い合わせください。